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自然再生

修士時代の先生のゼミに出ているのですが、
今日はそのゼミでした。

今年入学の修士の方の研究計画の発表でした。
釧路湿原の自然再生事業をめぐって、
社会文化的な地域固有性についての研究。
「地域固有性」という曖昧なものを、
既成概念として、考えていいのか、というようなことが議論になりました。

僕は最近根本的なところに引っかかってしまうので、
今日は、自然再生で考えが止まってしまいました。
再生、というのは、必ずある時点のある状態に戻すから、
再生というのだろうけど、ある時点は誰が決めるのか。
進化、進歩ということへの疑問が近代への批判として吹き出している現代に、
時系列的な変化を戻す、ということが果して可能なのか。
それを再生と言うならば、やはり直線的な歴史観から外れるものではない。
ある所与の条件から、当然の帰結が生まれる、
という考え方に、もう少し距離をとる方法があるんじゃないだろうか。

同じように変わらない場所にあるむらだって、
内外の影響を受けながら、つねに変化を繰り返す。
そのなかで、むらという場を持続させる。
自然だって、進化というよりも変化でいいんじゃないだろうか。
再生、で本当にしたいことは、新たな公共事業の創出ではなく、
できるだけ多くの人に理解される、
人間も含めて、他の生物の生活を豊かにすることなんだろう。
誰かの決めたあるべきものは、誰もには理解しづらいが、
多くの人が身近に感じて、積極的に関われる場を、
「再生事業」としてやるには、やる側が提供するべきであろう。

身の回りで何が起きているのかに、
みんなももう少し関心を持つべきでもあるのでしょう。


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